「先進医療」って何?特約は必要?
2023.10.02
皆さま、いつも大変お世話になっております。
FP目線でお役立ち情報を月1回配信させていただくコラム、第14回目となる今回は、仙台の独立系ファイナンシャルアドバイザー法人、株式会社レバークの大竹が担当いたします。
今回のテーマは「先進医療」についてです。
医療保険やがん保険の特約で先進医療特約を付けることが出来ますが、皆様の加入保険に先進医療特約は付いていますか?
きっと、自信をもって「はい」と言える方はほんの一握りなのではないでしょうか。
先進医療とは何かという基本的なところから、なぜ先進医療に備える必要があるのかということを解説していきます。
先進医療とは
厚生労働大臣が認める高度な医療技術や治療法のうち、有効性・安全性は一定基準を満たしてはいるものの、公的医療保険制度の対象外の治療を指します。
令和5年9月1日現在、81種類の治療が先進医療と定められています。
※引用:「先進医療の概要について(厚生労働省)」
先進医療は、公的医療保険制度の対象にするか評価が必要な段階の治療です。
よって、現時点では公的医療保険制度は適用されず、治療費は全額自己負担となります。
一般的に費用は高額で、受けられる医療機関も限られています。
◆代表的な先進医療にはいくらかかる?
先進医療にかかる費用は治療を受ける医療機関によって異なりますが、先進医療の中でも治療件数が比較的多い、がんの治療の「陽子線治療」や「重粒子線治療」では、1件当たりの技術料は約200~300万円と言われております。保険が適用される一般治療と比較すると、非常に高額であることがわかります。
先進医療の対象となる技術は日々更新されていて、新たに先進医療の対象となるものもあれば、公的医療保険制度が適応される保険診療や、適応されない自由診療へと移行するものもあります。
例えば、2012年4月からは「インプラント治療」が、2020年4月からは「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術」が、先進医療から削除され、保険診療になりました。
先進医療特約の保障内容
先進医療特約とは、主に医療保険やがん保険に付加できる保障です。
保障内容としては、先進医療を受けたときにかかった技術料を上限額内で保障してくれるものが一般的となっています。
医療保険では全ての先進医療が保障の対象となるのに対し、がん保険の場合はがんの治療を目的とした先進医療のみを対象とすることが多いです。
保障の対象となるのは、治療を受けた時点で先進医療に認定されていた技術のみです。そのため、加入時に先進医療と認められていたものでも、実際に治療を受けたときに先進医療から外れていれば保障の対象とはなりません。
◆先進医療特約は必要?
これは考え方にもよりますし、正解は人それぞれです。
ですが、少しでも心配な人は付加しておくと安心だと思います。
もし先進医療を受けることになったら、自己負担が高額になる可能性があるのに対して、先進医療特約を付加しても月々の保険料は数100円程度しか上がらないことが多いためです。
いざというときに持っておきたい「先進医療」という選択肢
「大切な家族が大きな病気をしたときに、治る可能性があるのであればどんなに高額な治療費を負担してでも最高の治療を受けてもらいたい!」そう考える方は多いのではないでしょうか?
少なくとも、国民皆保険が実現している日本では「お金がないから治療を諦める…」というケースは非常に稀ではありますが、先進医療の一部の治療では、まさに「資金を準備できない」という理由で有効な治療を諦めなければならないケースがあるのです。
その代表格ががんに対応する先進医療です。
◆副作用の少ない高度ながん治療が選べる
先ほども説明したように、がんの治療である「重粒子線治療」「陽子線治療」の1件当たりの技術料は約200~300万円ほどです。
これがどんな治療かというと、保険適用のX線を利用した放射線治療に比べ、がん細胞にピンポイントで照射することができることや、破壊力が高くより少ない照射回数で済むことから、身体に与えるダメージを抑えながらも効果的な治療を行うことができる技術です。
「ダメージが少ない!より効く!」と聞けば、やはり先進医療も治療の選択肢の一つにしたいと思いますよね。
先進医療技術とはいえ、がんが「完治」するわけではないので、繰り返し照射する必要となるケースもあります。その度に約200~300万円程度の技術料…。これらの資金を継続的に用意できる方は少ないのではないでしょうか?
あなたの保障内容は大丈夫?
先進医療特約は2008年頃に開始されました。
そのため、10年以上前の医療保険に加入している場合には、そもそも先進医療特約の選択肢がないという場合が多くなっています。
保険は医療技術の高度化や、傾向の変化に伴って日々変化していっていますが、先進医療特約も例外ではありません。
保障の内容は、発売当初は技術料通算300万円や500万円といった額が多かったのに対し、今日では技術料通算2,000万円などと金額も拡大しています。
保険会社によっては、先進医療特約が存在しなかった頃の医療保険を契約している方を対象に先進医療特約を「中途付加」できるケースもありますので、まずはご自身やご家族の加入内容を確認されてみることをおすすめします。
ご自身で保険証券を確認してもよく分からないという場合は、仙台の株式会社レバークまでお気軽にご相談ください!